院長のコラム

玉置浩二 Concert Tour 2023 故郷BAND〜田園〜(後編)


今春、玉置浩二のイベントに参加する前頃から予習を兼ね、診療後の事務作業や自宅で院長コラムを書く際、サブスクでアトランダムに玉置浩二をかけるようにしていた。ボーカリストの側面から語られることの多い彼だが、聴いていると傑出したソングライターでありメロディメーカーであると強く僕は感じた。ど素人が語るのは憚られるけれど、とにかく歌詞がいい。技法に走ることなく奇をてらうことなく、飾らないありふれた実直な言葉が胸に響く。ウィスキー山崎のCMキャッチコピーではないが、「なにも足さない、なにも引かない」の言葉選び。もっと言えば、詩人相田みつをに感じるものと同じ感覚。若い頃はすべてにおいて、単純で平易なものを毛嫌いする傾向にあった。しかし、年齢を経てシンプルなものが心地よくなっている。聴き流していた曲から突然、「かあちゃん おっかちゃん おかあさん」と絞り出すような声が聴こえてきた瞬間、心が震えた。亡き母のイメージが蘇り突如として涙がこぼれてきた。それは「純情」の一節だった。

コンサートの話に戻る。クライマックスの「JUNK LAND」から「田園」、「メロディー」の流れはやはり圧巻で、会場全体が総立ちに。これだけでお金を払う価値があるというもの。今回もMCなく終わるかと思いきや、9月13日は玉置さんの65歳の誕生日だったようで、会場中から「誕生日おめでとう」、「Happy Birthday!」の声が。それに呼応するかのように、玉置さんがついにしゃべった。そして、いつの間にか会場全体で「Happy Birthday to you」の大合唱に。「お母さん、65年前に僕を産んでくれてありがとう。そのうち逢いに行きます。また僕を産んでください。」の言葉の表情が感慨深げだったのは遠くからでも分かった。アンコールは、バスドラを使ってのワンマン演奏。「MR.LONELY」、「夏の終りのハーモニー」で締めくくられた。「夏の終りのハーモニー」は、一部会場全体で大合唱に。この曲やバースデーソングでの一体感、初めて聞いた生玉置のしゃべる声。べたかもしれないが、温もりとやさしさに包まれたまさにハートウォーミングなライブだった。個人的な願望だった「純情」と「清く正しく美しく」が聴けたら至福だったが、これは次回の楽しみに。コンサート終了後は、余韻に浸るまもなく二時間の長距離運転。この苦痛を補って余りある素晴らしい特別な夜になった。だからライブは辞められない。

玉置浩二さんはもはや高齢者、僕ももう還暦間近。初めて安全地帯を聴いたのが1983年の「ワインレッドの心」。当時、まだまだ母は健在で高橋真梨子の「桃色吐息」をよく口ずさんでいた。「あれからもう四十年が経ったんだぁ」、言葉に出来ない感慨を覚える。あと何度コンサートに行けるか分からない。「命ある限りコンサートに馳せ参じよう!」、心奮い立った長月の夜だった。

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