生きて行く上で一番大切なこと
「ラカン」新春号より
当地方を中心に展開しているフリーペーパー「ラカン」の新年号に、「生きて行くうえで、一番大切なこと、は何ですか?」という問いに老若男女35人が答えるというかたちの特集が組まれた。この特集のために見開き2ページが割かれていた。フリーペーパーなので広告料が主たる収入源である。広告料に換算すると何十万円にもなるスペースを割いて、わざわざ読者に問いかける特集を組んだのである。そこには社長の大英断があっただろうし、スタッフからの異論反論があったことは想像に難くない。しかし、同じ経営者として考えると、社長の意図、意志が分かるような気がする。
当クリニックも今年の2月で4年が経過する。開業当初はただがむしゃら、ただひたすらで、将来どうしていこうかなど考える余裕余地はなかった。年々患者数・検査件数が増えて来て、昨年くらいまでは、検査件数が増えて来てよかった、自分の開業医としての取り組みに間違いがなかった、といささか満足していた。けれども、冷静に考えると、検査件数が永遠に増え続けることはない。一人で出来る検査件数には限界があるし、例え数をこなせたとしても質の低下が否めない。今年は、自分にとってもクリニックにとっても正念場の年である。数と質を維持しながら、もう少し検査件数を増やす「のびしろ」があるのかどうか、見極める年になりそうだ。
自分が推測するに、ラカンも企業として同じような悩みがあったのではないだろうか。真面目に仕事に打ち込んでいれば、ある程度経営上軌道に乗ってくる。そうなるとどうしても守りに入ってしまう、マンネリ化が生じてくる、現在の状況に甘んじてしまう。そうこうしているうちに同業他社が接近してくる。
今回の企画は、ラカンの在り方を世に問うとともに、同業他社との差別化を計ったのものではなかろうか、と考える。広告業界と医業経営は業種としては全く異なるが、会社を経営するという点、同業者との競争を勝ち抜くという点では同じである。自身、大変参考になった。
ところで、この企画の35人の一人として白羽の矢が立った。社長とは懇意と言う程の仲ではなく、年に数回、気の合う仲間と食事をする程度である。とはいえ、年齢性別職種は違えど似たような魂を持っているのだろう、話をしていて引き込まれるし、共感することが多い。
ある日突然、「あまり深く考えずに直感で、生きて行く上で一番大切なことは何ですか、答えてください」とメールをいただいた。今から考え直すともう少しよく考えればと思ったが、その時は早くメールを返さなきゃ、と焦りに焦った。ふと、佐野元春さんの「SOMEDAY」の一小節 ♪信じる心いつまでも♪ とつぶやいたのである。そうだ、信じることだ、いややっぱりどうかなと思案したが、直感を大切するようにとのことだったので「信じること」にした。返事のメールをそのまま抜粋する。
『メールありがとうございます。
本当に直感、何も考えずに浮かんだのが
「信じること」でした。
佐野元春さんの名曲「SOMEDAY」の一節をふと口ずさんでしまいました。
「信じること」
それは自分に対しても、人に対しても。
自信が無くなった時、自分の方向性を見失いそうな時。
よくよく考えれば、経営者になってからそのことを痛切に思うようになりました。
取り急いでメールさせていただきました。』
生きて行く上で一番大切なこと、ゆっくり考えても正しい答えは見つからない。ただ、そう問われた時に、今の自分にとって何が大切なのかをすぐに答えられるように生きて行かなければ・・・。