院長のコラム

田辺祭、初参戦

初日(2)


午後七時、法螺貝の音とともに、巡行路を祓い清める役割の「住矢」の走りが執り行われ、いよいよ、おかさの鳥居前のお勤めが始まった。
中央、左右の順に、おかさを移動させ、それぞれの鳥居前で清めの儀式をするのだ。曳くのはそう苦労しないが、問題はおかさの反転である。前輪を肩の高さまで持ち上げてから後輪を軸にして回転をさせなければならない。理由は聞けなかったが、この回転は左回転のみである。僕のような軟弱者がどこまで役立ったか分からないが、なで肩にずしりと相当な重さを感じたことだけは確かである。おかさを鳥居正面に配置させれば一同跪き、榊でもって特別な海水でお清めである。先頭で曳かせてもらっていた僕に、その海水が降り注いだ。心身ともに清められたような気がした。後日、その話を夕食時にしたら、「絶対ありえへん、怒りっぽい性格は絶対変わらへん。」と一笑に付された。

本町のおかさの鳥居前の清めの儀式が終わっても、残り七基のお勤めがある。終わるまでひたすら待たなければならない。渇いた喉を潤すため、ビールを片手に行き交う人を眺めていた。田辺も意外と人がいるんだ、(自分の昔を重ね合わせるように)若者もけっこう多いな、女性の浴衣はやっぱりいいよな。今まで参加した田辺祭とは、見る景色が全く異なった。
従来の夜店目的の祭りは、すれ違う人にしか目が行かず喧騒という言葉しか浮かばなかった。けれども、今回は時間がゆっくり流れ酔っているが意外と冷静に佇んでいられた。立ち止まって人の流れを見ていたら、知り合いの何と多かったことか。声をかけようにも、見物者は足早で追い付かない。逆に、何人もの人達から声もかけられた。「何でここにいるん?」「あんた何しやんの?」、聞かれる度に説明をして祭に参加している特権でビールを振舞った。

全部の笠鉾がお勤めを終えた八時半過ぎ、写真で有名な「会津橋の引き揃え」のため、再び笠鉾を移動させた。本町のおかさは常に先頭なので、会津橋に到着して再び小休止となりビールを飲んだ。一体どれくらいビールを飲んだのだろう、350ccの缶ビール換算で7、8本だろうか。暑さと労働による発汗がビールを美味しくさせたし、新陳代謝が亢進しているせいかほとんど酔わなかった。
会津橋の引き揃えの後、下手にある会津大橋に移動させ、別れの儀式で初日が終わった。会津橋から徒歩で田辺駅へ向かい、タクシーをひろって帰宅した頃には十一時前になっていた。何もかもが初体験で、かつ新鮮であった田辺祭初日、翌日は終日診療であったが、翌日も参加することを決めて床についた。

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