院長のコラム

着物雑感

2012.01.29

袴パンツから考えたこと
個人的にはこのlookが好きです。

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 百歩譲って、ファッションの事象は知らなくてもいい。しかし、民族衣装である着物を、ほとんどの男性が着られないというのは如何なものか、と最近特に思う。
昨年末、とある病院の忘年会にゲストとして招待されたので着物で参加した。同じテーブルに座った同性の70才前後の年配者から、「自分で着たの?」「良く着るの?」と矢継ぎ早に質問された。50才以上の男性なら、お嫁さんの実家から嫁入り道具の一つとして男性着物を持たされることもあると聞いていたので、「それは何処の紬ですか?」と素材のことを聞かれるならまだしも、民族衣装を自分で着られるの?とはこれ如何に。

南青山のヨウジヤマモト本店は、有名ブティックがたくさん建ち並んでいる通りにあり、外国人の多いところである(ちなみに、グウィネス・パルトローが買い物をしているところを見たことがある)。昨年、洒落で同店を着物で訪れてみた。スタッフからは「とうとうその領域まで行きましたか。」と驚きと呆れが半々の様子であった。さすがに、着物を着ての試着は出来ず、商品を見て回るだけに終わった。タクシーに乗ろうと店の前で待っていたら、通りすがりの外国人にタクシーに乗り終えるまで注視され続けた。南青山では、日本が誇るハイファッションブランド「ヨウジヤマモト」を着ていても振り返られなかったのに、ナショナルコスチューム「キモノ」では恥ずかしくなるくらい熱い視線が注がれた。着物自体が発するパワーや着物を着ている佇まいが西洋人には興味深く映ったのだろう。

着ることが仰々しく思われがちな着物だが、女性とは異なり男装なら慣れれば5分もあれば着られる。それでは、なぜ民族衣装である着物が、特に男性に普及しないのだろうか。
一言で言えば、コストパフォーマンスが悪すぎる。ひとえに着物を着ると言っても、着物、長襦袢、羽織、帯、草履、足袋を含めた諸々の小物が最低必要になる。これらを一通り、それ相応のものを揃えようとしたら50万はかかる。着物地を有名所の紬にして、羽織裏に凝ったりすると100万はゆうにかかる。スーツでもオーダーメイドしたり、有名ブランドのものなら50万くらいかかる場合もあるが、着てもシーズンに1、2回ということはないだろう。着物の場合、小売店からの「一生ものだから。」と言う甘い言葉に乗せられて買ってはみたものの、そのまま箪笥の肥やしになっている場合が少なくない。とにかく、値段が高い割に着て行く環境、場がないのである。

着物を着ると、所作・立ち振る舞いを常に意識するようになる。着物を着ると、自分の中の日本人DNAが覚醒する。着物を着ると、着物を民族衣装とする日本人で良かったと実感する。着物を着ると、ますます着たくなる。
一方、着物を知れば知るほど、着物文化が衰退の一途を辿っていること、和装文化が日本人の中においてもガラパゴス化していることを理解した。大上段に構えて「日本人はこうあるべきだ。」と主張するつもりは毛頭ない。日本人が育んで来た素晴らしい文化を継承して行く大海の一滴になれれば、と願う。

この雰囲気の袴パンツを購入予定です。

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