院長のコラム

神の啓示〜まさかの階段落ち(3)〜

翌日、火曜日は左脚にギプス固定が必要なくらいの状況で仕事へ。幸いなことに、左脚の負傷だったからクルマの運転はできると考えていた。ところがクルマに乗り込もうとした途端、「あれっ?思ったんと違う!」左脚に激痛。激しい痛みに大声を上げる訳にもいかず内心で叫んだ。事あるごとに、この心の叫び声が2週間以上も続こうとは、その時点では想像すら出来なかった。仕事場に足を踏み入れた時から、やはりすべてがいつも通りにいかない。上履きに履き替えるのも「どちらから脚を動かせばいいの?」、たかだかそんなことで四苦八苦。移動が不自然で歩く姿は異常。事情を知らないスタッフが「先生、大丈夫ですか?」と声をかけてくれるけれど、事情を説明して「大丈夫じゃないけど頑張る!」と伝えた。連休明けの平日だったが、神の思し召しと言っていい程の少ない検査件数に安堵した。

しかし、その夜からが激動の週の始まり。夕刻には以前から計画していたスタッフ歓迎会。ぎこちなさは午前中よりも大分改善していて、朝よりも歩けて痛みも良くなっている。翌日が休診を理由に、飲酒しないスタッフの分まで痛み予防のために飲んだ。翌水曜日は昼からルーチンワークのスイミング。「泳がなくても歩くだけでも」と胸をよぎったが、泳いでいる自分が想像できた。「いつまでも若くないんだから、無理すんな。」と自分に言い聞かせスイミングを諦めた。金曜日は約束していた開業医仲間と食事会。近い世代なので、経営や子供たちのこと今後のことで話は尽きなかった。翌日土曜日は朝から上京。昼に同郷の集まり「南紀田辺会」に田辺高校同窓会長代理として出席。夕刻には南青山で「ヨウジヤマモト」受注会へ。夜は上京している長男と品川で食事をし、その勢いで三軒茶屋にある中学恩師の息子が経営しているバーへ。夜遅くにホテルに帰ってきて、翌朝、7時半発の南紀白浜便で帰宅。くつろぐまもなく、和歌山市の和歌山ビッグホエールで開催される「大相撲和歌山場所秋巡業」へ。普段の週より五倍以上も歩かなければならない週になった。

翌週からはリハビリを兼ねてスイミングへ。自分が想像していた以上に左脚の損傷は激しいようで、屈曲の度に痛みが誘発され泳ぐなんて不可能。仕方なく、ゆったりとした水中歩行か、プルブイを用いて上半身で泳ぐしか出来なかった。泳ぐ、それまで当然と思っていた行為が出来ないこと、それを人前で晒すことに忸怩たる思いだったが、プールは日常生活では出来ない動作が可能なためリハビリにはもってこい、週二回のプール通いを早々に再開した。10月末時点でもまだまだ痛みは残っているものの、「日にち薬」とはよく言ったもので徐々に快方に向かっている。不幸中の幸いで、大怪我したものの休診までには至らなかった。開院から十七年、病気や怪我での不意の休診は今回も回避された。不注意による左脚の激しい損傷は身体的苦痛を招き、同じくらい、当然が出来ないもどかしさに苦しんだ。しかし、今回の出来事は自分の驕り高ぶりへの神様からの啓示と受け止めている。父が亡くなった還暦までもう数年、慎重かつ謙虚であること、そして今回の出来事を案じてくれた人々への感謝を心機一転した。もう少し頑張ってみよう!

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