院長のコラム

私的医業経営論~「how toの論理」よりも「whyの論理」で~

今回も内容と写真は異なります。
題名は「未来のリーダー、瀞峡にたたずむ」です。
10-4-26

忘れられない先生がいます。川崎医科大学1年生の時に哲学の授業を教えていただいた木戸三郎先生です。眼鏡をかけた小柄な方で、頭髪はぼさぼさの白髪。前につんのめるようにてくてく歩く姿もそうですが、そのしゃべり方が特徴的で、「この先生、酔っぱらっているのかな、それとも哲学者を演じているのかな?」と思わせるものでした。
今となっては記憶が定かではありませんが、その著書「哲学は死に果てたか」の中で一貫して展開されていたのは「how toの論理」よりも「whyの論理」を、ということだったと思います。「いかに生きるか」よりも「なぜ生きるのか」、「いかに医者になるのか」よりも「なぜ医者になるのか」、が大事であることをその講義の中で熱く語られていました。その当時尾崎豊が人気実力とともに絶頂期にあり、尾崎の大ファンであった僕は、木戸先生の講義の中に同じもの、体制に安易に与するな、何が一体大事なのか、など本質的なものを感じました。
木戸先生はこのような先生だったので、一部の学生からは熱狂的に支持され、自分などは到底先生に話しかけることなど出来ませんでした。ある時期、その後の人生の長い時間から考えるとたった一瞬、講義を受けた先生と生徒という関係にしか過ぎませんでした。その後尾崎豊は亡くなり、その当時僕が抱いた何か熱い感情は徐々に薄らいでいきました。しかし、木戸先生からインスパイアされた精神は、年を経るごとに大事なものになっています。

3年間経営者として理解したこと、経営の要諦を一言で言えばすなわち、「自分は何をしたいのか明らかにすること」だと思います。
「ホスピタリティーの追求」という経営理念、自分のしたいことを掲げ開業したものの、開院当初は全く患者さんが来ず、いつの間にか「いかにすれば患者さんが来てくれるのだろうか」という「how to」ばかりを考えるようになりました。卑近な例を挙げると、インフルエンザの予防接種料金をどこよりも安くし、成人だけではなく小児にも接種するようにしました。患者さんがいないよりまし、という強迫観念がそうさせたのでしょう。比較的若い世代の女性から「先生、染みとりのレザーを導入したら、一杯患者さん来るで。」という言葉にすら耳を傾けたこともありました。
今から振り返ると、開院当初患者さんが少ないのは当たり前のことで、蒔いた種がすぐに花を咲かせることはありません。蒔いた種が芽を出し徐々に大きくなり、来るべき時に花をつけるように、当院にも徐々に患者さんが来てくれるようになりました。迷い悩んで、時にめげそうになり、時にブレそうになりましたが、ここまでやって来られたのは、しっかりとした「why」、自分は何を目的に開業したのか、を持っていたからだと思います。そして、信じること、それを継続していくことも大事であることをこの3年間で学びました。

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