突然の右足底痛(1)院長サンダル
ベストトアロ
テレビニュースで見る医者の職場環境と言えば、PCに向かうデスクワークがメインに映るかもしれない。僕が専門とする内視鏡医に限って言えば、立ち仕事が主である。内視鏡検査室への行き来と検査中は立ち放しである。それ故、体力・気力が重要である。経験上、気力を持続集中させるためには食事は厳禁である。時に、低血糖と思われる立ち眩みを覚えることがある。そんな時のため、冷蔵庫には常時チョコレートを準備している。年に数回、激しい胃腸炎に見舞われる。立ち仕事に胃腸炎は最悪で、冷や汗をかきながら神様を恨むこと仕切りだ。最近、立ち仕事を維持するために重要なことをもう一つ痛感した。
院内履きにはこだわりがある。長時間の立ち仕事のため足を締め付けず通気性がいいもの、私服での診察を標榜しているためデザイン性も重要である。アディダス派の僕は、開院当初同社のサンダルを用いていた。靴幅が狭くソールも比較的低いそれは、立ち仕事においてもコーディネートの面でもしっくり来なかった。しばらくして、同社からトアロという製品が発売されていることを知った。アッパーがずんぐりむっくりしいてソールも厚め、デザインもシンプル。このサンダルの秀逸なところは、インナーソールにFit FORMという低反発素材が用いられ履き心地抜群だった。デメリットと言えば、アッパーに人工皮革や合成繊維を用いているため、半年も履き続けるとどうしても綻びが目立ってしまう。トアロは定期的にモデルチェンジがされていたようで、傷む度に買い替え足元のイメージチェンジも図った。
ところが、ある時期を境にネットショップでトアロを見なくなった。どんなに調べても、販売終了の案内は見当たらず理由も定かでなかった。傷んだトアロを使い続けたがそれも限界がある。代替品を探すほかなくなった。サンダルと言えば一番にクロックスが浮かぶ。けれども、どうしても猫も杓子感が拭えず、思案した結果ビルケンシュトックに決めた。とは言っても、ブランド名を知っているだけで、最寄りに店舗がなく、サイズ感も履き心地も分からない。無理を承知でネット購入するほかなかった。調べた結果、アッパーがレザーでインナーソールがコルク材のボストン、もしくはオール合成樹脂のボストンEVAが良さそうだ。しかし、実物を比較検討出来ないため二者択一は困難で、結局二足購入することにした。
「試着は大事だ。」を実感した。第一候補だったボストンは中敷きのコルクが案外硬く、どうしても足にフィットしなかった。自宅のつっかけ用に成り下がった。ボストンEVAはまだマシだったが、徐々に足が慣れていったのだろう、しばらく違和感が残ったもののいつしか気にならなくなっていた。そのうちボストンEVAも酷使が祟ったのか、今夏留め具が破損した。同じものでも良かったが、趣向を変えようと二代目ビルケンはProfi Birkiに白羽の矢を立てた。説明内容を読むと、病院・食品産業・厨房等の経験豊かなスタッフにチョイスされているとのこと、迷うことなく購入した。その頃を境に、右足底外側に痛みを感じるようになった。(つづく)
ビルケンシュトック ボストン
ビルケンシュトック ボストンEVA