紳士たれ!
僕の人生の分岐点に指針を与えてくれた雑誌「BRUTUS」
千葉さんとの出会いの次は、子供の進路についてです。2004年11/1号の特集記事はその名も「紳士たれ!」、松井秀喜さんが表紙を飾っています。
5年経た今でもその記事内容は色褪せませんし、自身も年齢を経てますますその内容が理解出来るようになってきました。特に、宮台真司さんの巻頭談は、この年齢の現在の環境(開業医)だからこそ心に染み入るものです。
その中で紳士の国イギリスのことが特集され、中でもイギリス最強のエリート養成校イートン校が取り上げられていました。イギリスの上流階級層は、パブリックスクールと呼ばれる中等教育(日本でいうところの中学高校)学校で子弟を学ばせるそうです。イートンは全寮制の学校で、生徒達は厳格な規律の下に集団生活を送り、一流大学への進学を目指すために過酷な勉強量、時間を課されます。一方、同じくらいふんだんに与えられた自由時間を、自分の裁量でスポーツや文化活動にもバランスよく割り振りながら成果をあげることも求められるそうです。こうして、知性も人格も兼ね備えたイギリスの教養ある紳士が作られていくそうです。日本でいうと、東大進学率が高いという点で灘や開成といった進学校に、全寮制で厳しい規律と自由な雰囲気が共存する点は、戦前の旧制中学・高校に似ているかもしれません。
その文脈の中で、これから、日本にもイートンをモデルにした全寮制の学校が出来ることが書かれていました。その学校は、トヨタ自動車、JR東海、中部電力といった、東海地方はもちろん日本を背負う経済会の重鎮達が音頭をとって、「今の日本の教育に一石を投じ、将来を背負って立つリーダーを育てたい」という趣旨のもと設立されることも書かれていました。
千葉さんとの出会いと同様、「息子をこの学校に入れたい!いや、入れなければならない!」と閃きました。この雑誌をみる以前はもちろんのこと、以後も中学受験に関する雑誌に目を通すことは一切ありませんでした。一昨年、無事子息が合格しました。保護者の集いで出会う方々は皆教育熱心で、今の日本の教育のあり方に対して疑問・不安を抱いている方が多いような印象があります。そんな中で、「どうしてこの学園に入学させたのですか?」という話題になった時、「雑誌のブルータスを読みまして、・・・」と答えたところ、ただでさえ風貌の変わった人間が想定範囲を越えた答えをするので、一様に唖然とした表情をしていたのは今でも忘れられません
雑誌「BRUTUS」、この文章を書いたことによって、この雑誌の先見性を改めて知ることになりました。今月から当院の定期購読誌になったことは言うまでもありません。