裸一貫(健康編)
スイミングが長続きしている理由の一つに、この運動が奥深いことにある。泳法には御存知の通り四法があり、僕は四法を満遍なくこなすようにしている。一種を1時間なら飽きるが、四種を順繰りにすればあっという間に1時間。陸上と異なって、速く泳ぐためには手を素早くかき強くキックすればいいというものではない。水中動作のため、推進力に対して水圧による抵抗がかなり発生する。速く泳ぐためには、抵抗を減らしつつ推進力を高めることが求められる。要は、無駄のない綺麗な泳ぎ方をしなければならない。しかし、これがなかなか難しい。経験者じゃないから水泳You tubeを参考にして取り組んでいる。けれども、まさに「言うは易く行うは難し」だ。水泳は協調運動なので、どこか一箇所を直せば劇的に改善するということがなく、逆に歪みが出てバランスを崩すことだってある。泳ぐ度に課題を持って取り組んでいる。7年経っても水と戯れる泳ぎは出来ていない。
スイミングが長続きしているのは、体力維持と健康増進において多方面にわたり効能効果があると実感しているのが一番の理由。長時間継続して全身を使って行う有酸素運動であるとともに、水圧に堪えて上下肢を動かすため筋力トレーニングの効果も。週1度泳ぐだけの妻さえ肩周りの筋肉がついてきたと言うくらい。水泳は陸上競技と異なり呼吸が制限されるため、取り込んだ酸素を効率よく全身に行き渡らせなければならない。これにより心肺機能も向上する。しかも、プールは温かくしているとは言え体温よりもかなり低く水温設定されている。そのような環境で運動することは体温調節能力も向上する。それはすなわち、基礎代謝と免疫力アップにも繋がる。水泳を始めてから風邪を引かないようなった。これらは一般的に言われていることだが、個人的見解を付け加えるなら、水泳は無心になれるところがいい。陸上と異なり眼前にはアクアブルーの光景しか見えず、加えて呼吸を止めていなければならない。自然と無意識になり、ストレスがあっても不思議と軽減される。
運動面における効果はもちろん、美容面においても水泳はいいと思う。泳ぐためには、男性ならパンツ一丁にならなければならない。着替える度に、水着一枚で鏡の前に立たなければならない。否が応でも自分の体型を直視しなければならない。しかも、その体型を公衆の面前にさらさなければならない。自身のことは見て見ぬ振りをしているけれども、他人の体型は案外と気になるものだ。自他に見られる意識はボディケア効果にいいと考える。番外的だが、水泳を始めてから旅行の際は極力プールのあるホテルを選択するようになり、旅行の楽しみが増えた。ホテルのプールなので、ラグジュアリーな作りになっていて心身ともに優雅な気分に浸れる。フィットネスを見ると、そのホテルのホスピタリティを垣間見る事もできる。
父が亡くなった年齢までとうとう4年を切った。現時点では大病もせず、日々飲食を楽しめている。これからも命ある限り水泳に取り組んで行こうと思っている。先ずは、父の亡くなった年齢を目指して。