院長のコラム

評論家気取り(格付けチェック)

2023.04.19

料理や酒に熱弁を振るう人はどうも苦手だ。「この料理の隠し味は◯◯ですね。」、「いやー、さすがにこのアナゴは旬ですね。」、「このワインは△△産ですね。ふくよかでまろやか飲みごたえあります。」、「うーん、まだ開けたて(ワイン)なので花開いていないな。もう少し寝かせておけば、もっと美味しくなるかも。」。こんな言葉を聞いて感心しながらも、なぜだか関心を持てないでいた。酒席の戯言なので聞いているふりをして聞き流すようにしている。ウンチクを語っているようで、実はマウントを取りに来ているようにしか僕には映らない。僕と食事に行ったことのある人はご存知のように、飲食に関して僕の辞書には「おいしい」と「うまい」の二文字しか載っていない。

先日、何気なくテレビを見ていて脳天を撃ち抜かれた。とともに、自分の長年の疑問がよどみなく解決した。その番組名は、「芸能人格付けチェックBASIC〜春の3時間スペシャル」。最初の問題が衝撃的で、「赤ワインか白ワインかを当てる」だった。もちろん目隠しをするのだが、さすがの僕も「まさかやー、さすがにこれくらい分かるやろ!」と思った。自分の経験上、白はスッキリさっぱり、かたや赤は渋みがあって後味が残る感じ。素人でも分かりそうなもので、ましてや芸能人なら首都東京で日頃から美味しいものを食べているに違いない。こんな問題はイロハのイに違いない、思わず笑ってしまった。しかし、案外当てられないものなのだ(きっと番組の演出上)。極めつけは俳優の桐谷健太氏。彼をディスるつもりはないが、ワインエキスパートの資格を持つ彼が赤ワインと白ワインを間違えたのだ。極めつけは最終問題、超一流店、コンビニチルド食品、浜ちゃん(ダウンタウン)の作った料理の三択問題。浜ちゃんが作った“絶対ありえへん料理”を選択すればツーランクダウンという地雷問題。なのに、間違う人が続出。番組を楽しみつつ、公の場で人角の持論を語ることの危うさを改めて自戒した。

この番組で分かったことは、人間の五感がいかに「あやふやか」ということである。味覚なんて評価する以前に予備知識で決定している。産地、価格、料理人の経歴、食する雰囲気や環境、食する前に味覚は脳に騙されていると言って過言でない。妻と鮨屋に行って帰宅後、「コハダって美味しい?」と毎回問われる。「それを言っちゃあ、おしまいよ!」と思いながら、「コハダは江戸前鮨の見せ場やからなぁ。」と通ぶってみせる。けれども、僕自身もコハダを美味しいと思ったことがない。同じように酢で締めるなら、サバのほうが百倍美味しい。ということで一刀両断するなら、素人の評論は所詮、浅い経験と狭い知識に裏打ちされた主観に過ぎないということだ。さらに言うなら、論評しているようで、実は自分の趣味嗜好を単に主張しているだけなのだ。これが飲食だからまだ許容されるものの、政治や宗教ならどう感じるだろう。「あなたは単に洗脳されているだけですよ。」、鬱陶しく迷惑千万ものだ。吹聴するのが自分の人脈なら、「誰と付き合おうが構いませんが、ところであなたは誰、何者?」。(つづく)

長嶋雄一クリニックお問い合わせ

診療科目(内科・消化器科・胃腸科)
診察週

月・火

木・金
奇数週
(第1・3・5週)
8:00 ~ 16:00 8:00 ~ 16:00 8:00 ~ 15:00
偶数週
(第2・4週)
8:00 ~ 12:00
休診日︓第1・3・5週水曜日、第2・4週土曜日/ 祝・日曜日