院長のコラム

財務省事務次官

2012.09.1

郷土の誇り

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社会保障と税一体改革法案が参議院で成立し、1年半後に先ず消費税が8%に引き上げられることが決定した。この決定は、民主党・自民党・公明党の3党合意に基づくものであることは周知の事実である。しかし、マスコミ・テレビコメンテーターからは、財務省黒幕説がまことしやかに語られている。自民党の政権末期から民主党政権時代の歴代財務大臣を、財務省総がかりで洗脳したとする説である。とりわけ、民主党政権になってからは、その説もさもありなん、と思わせる節がある。野田首相とその子飼いの安住財務大臣はまだしも、日本国解体論者の菅直人前首相までも消費税増税論者に仕立てるのは至難の技である。大蔵省出身の民主党の大御所藤井裕久元財務大臣が一役噛んでいるのは想像に難くない。

暗躍、策略、陰謀、裏面工作、跳梁跋扈という言葉で称されることの多い財務官僚だが、僕自身は「本当にそんなに力があるのだろうか。」と疑心暗鬼である。そんなに力があるのなら、なぜ国の借金が1000兆円を超えようとしているのか、不思議である。以前NHK特集で、歴代の大蔵省事務次官が、赤字国債が増え続けていった内幕を語った番組があった。そこには、政治家と国民の圧力に翻弄され続けたエリート官僚の姿があった。
けれども、そのような番組を見てさえ、財務官僚は得体のしれない何か大きな力を持っている存在と思わせる。というのは、その圧倒的な経歴である。ほとんどがおそらく、小中高とわたって学年1番で走り続け、東大法学部に現役で合格し、国家公務員I種試験でも上位合格したエリート中のエリートである。採用された20数人の同期の中でも次官になれるのは原則一人なので、財務省事務次官はキング・オブ・官僚である。もちろん、優秀なだけではなれず、人柄に加えて運も味方をするのだろう。

この夏、田辺高校の先輩が財務次官に就任した。この文脈からすると、地元では大騒ぎになるものと思っていたが、意外と知られていないし、残念ながら地元紙の扱いもそれほどではなかった。
今年のゴールデンウィークに先輩が帰省した際、次官の友人である方(もちろん田高の先輩)の取り計らいで、主計局長時の真砂先輩に会わせていただいた。場末の喫茶店で見る私服姿の未来の次官は、正直、何のオーラもない普通のおじさんであった。名刺交換もさせていただいたが、住所・電話携帯番号・メールアドレス、はてはホームページのURLまで書かれた僕の世俗にまみれた名刺とは異なり、表に省庁名と役職、電話番号が書かれているだけの素っ気ない名刺であった。こちらの不手際のため30分ほどしか会話出来ず、聞きたいことの1%も聞けなかった。到底満足のできる面会ではなかったが、「田辺市が生んだ偉人に出会えた」という高揚感は数日続いた。

この1年以内に、衆議院の解散、総選挙、民主党の大敗北、第三勢力の台頭、政界再編成が起こることは必至である。なあなあで済まされた自民党、子供に教えるように一から教えた民主党とは異なり、次期政権政党あるいは連立与党は、従来の慣習を無視した方法で財務省に立ち向かって来ることは想像に難くない。これから迎える激動の時代に、真砂先輩の活躍をただ祈るばかりである、田辺高校の後輩として田辺人として。
遥か彼方の出来事と思っていたことが、身近になってきた。これからの政界、財務省の動き、その両者の関係を注視していきたい。

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