院長のコラム

金環日食

よりも流星群

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5月21日は金環日食ということで、日本中が盛り上がっていた。今回のように全国的に日食が見られたのは◯◯◯年前、次回見られるのは◯◯◯年後、テレビでは連日長い時間を割いて特集を組んでいた。「生きている間に見られるのは幸運だ。」、「今からその日が楽しみです。」、コメントを求められた一般人が妙に軽々しく答えているのを見ると、僕は天の邪鬼なので「皆が盛り上がっている時こそ金環日食なんか絶対みてやるか。」と心に誓った。週間予報では21日は曇りもしくは雨と予想されていたので、見ないことを誓うも何も、現実的には見える確立はほとんどなかった。「どうせ、確率的にいって見られないものに期待するのは愚の骨頂で、4年に一度のオリンピックの度に予想金メダルは◯◯個、サッカーワールドカップの度に日本はベスト4入りするかもしれない、という能天気なコメンテーターに何度裏切られたことか。もう騙されないぞ、月曜日は雨なのだから、もうこれ以上余計に煽るな!」そんな気分であった。

ところが、前日の20日になって娘が突然日食グラスを欲しいと言い出した。自身は見る気がなくても、娘に言われたらどうにかしてやりたいと思うのが親心である。ショッピングセンターに行ったがあるはずもなく、四方八方に電話で問い合わせたがない。それはそうだろう、日本国民の世紀の一代イベントである。冷静に考えると、前日に売っているほうがおかしい。そぼ降る雨の中で「備えあれば憂いなし、先憂後楽という言葉があるように、分かっていてなぜ今頃言うんや。自業自得だから仕方がない。」と説教しつつ、「明日は雨やからな、日食グラスを買った人は無用の長物を買ったことになるのだから、下手にテレビに踊らされなくてよかったな。」と無理矢理なぐさめた。

天気予報ほどあてにならないものはない。21日朝は雲が多いとはいえ晴れていて、雲間から太陽が何度も顔を出しているではないか。つけていたTVでは、ピークまであと何分、とうとう完全日食になりましたなどと連呼していたが、我々家族は出勤や登校の準備でそれどころではなかった。自身、窓から見える太陽を、裸眼で0.01秒くらいさっと見て、「あっ、重なっている。」程度に思ったくらいである。娘もちらちら見る程度で、日食グラスを買えなかったことを後悔していない様子であった。
昔見た漫画やテレビアニメで想像していたイメージの日食は、「日中で明るいのに徐々に暗くなって行って、重なった時には夜のように真っ暗になるのかな。」と思っていたが、明るいのになんだかいつもより光量が低下しているなと言う程度で、本当のところあまり感動はしなかった。

僕が高校生の頃、獅子座流星群であったろうか、ある真冬の夜、テレビが今晩夜空に流星がたくさん見られることを伝えた。凍り付くように寒い深夜、実家の屋根に上って雲一つない満天の夜空に、突然すーっと流星が横切るのである。それは1カ所に一度に流れるのではなく、四方八方不規則に流れるから、ぼーっとして見ている訳に行かず、絶えず目をきょろきょろさせながら落ち着かなかった。しかし、その天体ショーで僕は宇宙と一体になれたような気がしたし、僕にとっての原風景になった。大林宣彦監督の「時をかける少女」のプロローグを見る度に、松任谷由実の「ジャコビニ彗星の日」を聞く度にその時のことを思い出す。
流れ星に願い事を伝えると願いがかなう、と言われている。その時何度も試みたが、あまりに速過ぎて「あっ、」で終わってしまった。僕の人生が山あり谷あり、順風満帆に行かないのは、このことが原因かもしれない。

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