院長のコラム

5212A-001 時計はもう飽きたはずなのに(前編)

「(腕)時計にはもう興味がなくなった。」と言いながら、二本の時計を購入したことを報告した。景気のいい話のように聞こえるかもしれないが、もちろん二本とも分割払いである。人件費と材料費の高騰及び円安のため、今年になって腕時計の価格はどんどんと値上がる一方だ。しかも、自分が欲しいと思う時計は、購入者が殺到していて予約すら受け付けてもらえない。本当に欲しければ二次マーケットで購入する手もある。しかし、定価の倍のプレミアムを支払わなければならず、欲しくても定価という基準価格以上で購入する気は微塵もない。付け加えるなら、長年の経験上、正規店以外で購入する気も露ほどもない。今年、購入したものは超例外的で、一つは映え目的、もう一つは遊び心を刺激する逸品だったから。価格は嫌が応にも上がり、本当に欲しいと思える時計はほぼ門前払い。「時計は本当にもういいや。」と思っていた矢先の10月上旬、時計店から携帯電話に着信履歴が入った。

2019年、年末、所望していたパテックフィリップが2年待って納品された。実際にオーナーになってみて、プロダクトとしての完成度はもちろん一級品、現物を手にとって装着した時の高揚感は得も言われないものだった。ついに、雲上ブランドと言われる雲の上の存在に手が届いてしまった瞬間だ。そうしたら、もっと雲の中を知りたくなった。調べている中、心にぐっと刺さるモデルに出くわした。その年の3月にバーゼルワールドで発表されたばかりのカラトラバ・ウィークリーカレンダー5212A-001である。曜日と日付にくわえ、今日が1年の何週目かを示す週と月番号までもが表示された複雑で煩雑なダイアル。文字盤は、ややクリームがかった白色調に手書きされたような数字と文字がびっしりと並んでいる。どこか郷愁を感じさせつつ、唯一無二のパテックらしさが滲み出ている。バンドは、ライトブラウンのカーフスキンに白のステッチが入っていて、案外カジュアルに仕上がっている。そうは言えカラトラバなので、ベルトを黒に変えればドレスウォッチとしても使えそうだ。今まで見たことのない文字盤に、カジュアルからドレスまで幅広く使える汎用性、何よりもステンレススチールケースで価格も値頃感がある。ドレスウォッチらしきものを持っていないこともあり、購入意欲がふつふつ湧き上がった。困難を承知の上、時計店担当者に問い合わせてみた。今年発表されたモデルとはいえ、発表から9ヶ月経っていた。購入希望者は問い合わせた時点で4、5人、年にほぼ1本の納品なので5年以上はかかるとのこと。「何もしなければ何も始まらない」、2024年、年末以降を夢見て取り敢えずエントリーすることにした。

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