院長のコラム

529(ごふく)の日

嵐に着物

着物店の店長さんとワインの会で。
店長さんはお酒が強く、僕はすでにほろ酔い加減です。
ワインの会でも、男の着物は大変好評でした。
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5月29日、奇しくも当地は台風に見舞われた。通常なら自宅にこもって過ごすはずの日なのに、大雨に強風まさに嵐の中、わざわざ着物を着て出かけるはめになった。言い出しっぺなのでどうにもしようがなかった。

以前コラムにも書いたように、母親の形見分けをいかすために着物を誂えた。誂えた当初は着るのが億劫で何となく着るのを避けていた。とはいえ、軽自動車が1台買える金額なのでもったいないという気持ちもあり、避けたい気持ちを抑え意識的に着るよう努めた。何度か着るうちに5分程度で着られるようになった。たった5分とはいえ、洋装なら着るだけでほとんど時間がかからない。その着物を着るという5分程度の行為が気持ちを引き締めてくれる。普段ほとんど感じない日本人であるということを意識させてくれる。
着て出かけると、タクシーの運転手さんからは「やっぱり日本人は着物ですね。」と声をかけられ、食事先ではお店の雰囲気が格調高くなるのか喜ばれ、手厚いもてなしを受ける。隣に座った方からも声をかけられ、見ず知らずの人とも会話が弾む。このあいだなど隣の御夫人に「帯の位置が悪い、もう少し下げなさい。」と指導まで受ける始末である。

着物を着ることがおもしろくなった。ますます興味を持つようになった。着物にも洋装と同様夏を除けば、春秋物に相当する裏地のない単衣(ひとえ)、冬物に相当する裏地のある袷(あわせ)があることを知った。着物店のいい鴨かもと思いつつ、この春、単衣と夏の浴衣まで誂えてしまった。そうなるとますます着たくなる。
とはいえ、自ら進んで着なければ着て行く場所や機会がないことを知った。周りの方に聞いても、持っているけれども着て行く場所がないので箪笥の肥やしになっていることを聞いた。それなら、とお世話になっている着物店の店長さんに「売るばっかりが呉服屋の仕事ではないですよ。その後のメインテナンス、そして何よりも着て行く機会を設けるのも仕事ですよ。」と提案したところ、語呂がいいことからまず第1回目を、紆余曲折はあったものの5月29日に開催することに決まった。

台風が最接近していたにも関わらず、夕刻に老若男女20人程度の人が集った。着物を着て食事をするというと何だか硬くて仰々しいイメージがあったが、カフェという場所に加えて、音楽ありジャンケン大会ありで、わいわいがやがや楽しく盛り上がった会になったように思う。これから、着物を気軽に着て行ける機会がますます増えること、この田辺に着物を着る文化が根付くことを祈るばかりである。いや、祈るだけではなく、積極的に着物を着て街に出て行こうと思っている。そしていつの日か、今のファストファション全盛の反動が来ること、着ることに無関心で安易な風潮がなくなることを願うばかりである。願うばかりでなく、おしゃれすることのおもしろさを身近な人から伝えて行きたい。
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最近仕立てた単衣です。ストライプの柄が入っています。
最近、自分の姿、形、雰囲気、仕草が亡き父に似てきたように思えます。
もちろん、父はこんな歌舞伎者ではありませんでした。

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